優性思想?

そもそも、優性思想は日本人の心の中に何がしかの形で住み着いているものである。
「働かざるもの食うべからず」、や「働いて初めて一人前」といった言葉を聞いたことは無いだろうか。
怠けることを戒めたこのような言葉はもちろん正しいものであると言える。
しかし、裏を返せば「働く能力が無いなら餓死しろ」とか、「働かないのは劣等人種だからだ」といった優性思想の謹言になる。

ある1人の殺人犯を優性思想に染まった悪魔と見なすよりも、我々の内側に住む優性思想の悪魔を知り、その功罪を洗い直すことが肝要である。
我々が造っているこの社会である。
社会で起きた事件の原因はこの社会にしかない。
怠惰を糾す姿勢も、福祉の源泉である基本的人権の尊重も我々に繁栄をもたらす先祖からのプレゼントである。