懐疑主義のススメ

人間など、信じるものではない。
人間誰しも、一度は意識的にせよ無意識的にせよ裏切りを成さずには生きられない。
ならば他人にいつ裏切られてもおかしくはない。

しかしである。
人間は今この場にいる自分自身も含まれることを忘れてはならない。

他人を信用できない自分を信用できない。
これが肝である。

こう考えると、自分自身の認識全てが正しいか否か霞に包まれることになる。
多数派、少数派による正否の決定も無力だ。
多数派の見方も群盲象を評すことから逃るる能わず、地動説が少数派であった歴史もある。

本当に何もかもを信用しないことは、突き詰めさえすれば悲観的なだけではなくなるのだ。